茗荷谷の猫
- 作者: 木内昇
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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とってつけたような感じがなく、ものすごく、淡くかかわる形での連作になっている。
「偏奇館」という古本屋が出て来たり、内田百けん先生が登場したりといったところも、本好きには 楽しいしかけ。
大家に頼まれて、百けん先生のところへ借金の取り立てに行く“仲之町の大入道”や 人と関わらず生きていこうとしている男が周囲の人間に どんどん誤解(いい方に)されていく“隠れる”、母と娘を描いた“てのひら”が好きな話だった。
“てのひら”など、年老いた母を思いながら、なぜか、母に優しく出来ずに傷つけてしまう娘との関係が、何とも身につまされるような感じで、胸苦しくなってしまった。
母に、もっと優しくせねば。