阿修羅のごとく

阿修羅のごとく [DVD]

阿修羅のごとく [DVD]

昭和54年の冬、久しぶりに集まった竹沢家の4姉妹(大竹しのぶ黒木瞳深津絵里深田恭子)は、70歳を迎える父(仲代達矢)に愛人と子どもがいることを知らされ、それを機にそれぞれが抱える人生の悩みに直面していく……。
かつてNHKで放映された向田邦子・脚本の名作ドラマを、『失楽園』『模倣犯』などの才人・森田芳光監督が映画化。昭和後期の女性たちの生きざまが、現代にも巧みに訴えかける普遍性を伴いながら、観る者に心地よい感動を与える秀作である。姉妹それぞれのキャラクター分けも非常にうまくいっており、また森田演出ならではの温かみあるユーモアセンスも好調。またTV版で次女を演じた八千草薫がここでは姉妹の母に扮し、まるで作品全体を包み込むような圧倒的存在感を示している。フレンチ・ジャズ『ラジオのように』を日本家屋の風景にかぶせた大島ミチルの音楽も快調。(的田也寸志


女姉妹がいないので昔から四姉妹ものにあこがれます。(『細雪』など)
そして、この映画、オープニングの「阿修羅とは 表面的には、仁義礼智信を揚げるかに見えるものの、内には猜疑心が強く、互いに事実を曲げまたいつわって他人の悪口を言い合い、言い争いの象徴とされるインド民間信仰上の神の事」という文字が阿修羅像をバックに流れるので、タイトルといい これは姉妹のうちのどろどろとした部分を描いているのだろうかと思わされる。
当時放映されたドラマの方は見ていないのでわからないけど、この映画では そういうどろどろっとした部分は極力軽くさらっと流されているような感じ。
配役も どろどろとした感じは無いし、劇中、三女の滝子が「姉妹って ねたみ、そねみが ひどいの」というようなことを言っていたけれど、あんまり、ねたみ合い、そねみ合っているようには見えなかった。別に どろどろを期待していたわけではないけど。
滝子の三女と後にその夫になる興信所の職員 中村獅童とのコンビは、くすくすと笑わせられた。
後、映画とは関係無く、ラストに流れる ブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』が耳に残った。