ロッパの悲食記

ロッパの悲食記 (ちくま文庫)

ロッパの悲食記 (ちくま文庫)

エノケンと並びコメディアンの黄金時代を築き、“声帯模写”のパイオニアともいわれたロッパ。“近頃は、専ら食うことに情熱を傾けている”と自筆略歴に書いているほど食物についてはうるさかった。戦争末期(昭和19年)と戦後33年間の食物日記は、貴重な昭和史の資料とも読める。食物に対する見事なまでの執着心。


子規の『仰臥漫録 (岩波文庫)』を読んだ時にも 思ったけれど、取り付かれたように食べる人の すさまじさを感じる。
人が食べたものを読んでいるだけなのに その“食”(生)へ執念に圧倒されてしまうのだ。
食べ物自体がとぼしいからか、それほどの執着を持つ人がいないのか、現在の人の食日記には感じない迫力を感じます。