細雪

細雪 (中公文庫)

谷崎文学の最高峰、芦屋に住む美人三姉妹（本当は四姉妹だが、一番上の姉は あまり出て来ないので）を描いた作品。
幸子、雪子、妙子に貞之助、幸子の娘 悦子らが連れ立って京都へお花見に行く場面など、私が今まで読んだ本の中で最も豪華な場面だ。
そして、美しい言葉の連なり。
映画は見ていないのだけど、頭の中に その豪華さ華やかさが浮かんで来て、読んでいるだけで贅沢でうっとりとするような心もちがする。
男の作家が ここまで、女の細かい仕草、心情、着物の描写などを描いたということに 驚かされる。
いまさらながら、谷崎潤一郎、おそるべし。