私を形作る

楢山節考 (新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)

なぜか、最近、山梨や長野などの信州の人と縁がある。
縁があると言っても実際に知り合うわけではなく、山梨や長野の人が書いたものや表現したものを読んだり、見たりすることが多い。
わざわざ選ぶわけでは無いが、気になって手にとってみると出身が信州の人だと書いてあったりすることが多かった。
きっと、生まれも育ちも大阪で、いたってのどかな環境で育った私とは自然の厳しい土地で生まれ育った人とは、県民性などという言葉とは違う、その人の体の中に染み込んでいるようなものが、その人が育った土地にはあると感じてしまう。


信州の方では イナゴや、蜂の子を食べるという話を聞く。
昔の食べる物が無い時代ならともかく、今の時代に何を好き好んでそんなものを食べるのか、悪趣味ゲテモノ趣味なだけだと思っていた。
この本を読むまでは。



夫婦善哉 (講談社文芸文庫)

夫婦善哉 (講談社文芸文庫)

こちらは、うってかわって情けない大阪の男たちが続々と出て来る。
かなり、昔の本なのに、あ、知ってる、知ってる、この人、知ってる と思うようなリアル。
友人の彼氏だったり、知り合いだったり、バイト先の人だったり。
幸運なことに、私自身 甲斐性が無いし、面倒見も良くないので、この手の人に迷惑をかけられるという体験は無いのだけれど。



たましいの話 角川俳句叢書 (3)

たましいの話 角川俳句叢書 (3)

池田澄子さんの俳句は 読むと必ずショックを受ける。
初めて読んだ時のショックといったらなかった。
わかりやすい口語体で作られた俳句は わかりやすいからといって、決してやわではなく、むしろ、硬質な感じだったり。
女の人独特の触れるとひんやりと冷たいような毒が流れていたり。
読みながらぞくっとしてドキドキしてしまう。