f植物園の巣穴

f植物園の巣穴

f植物園の巣穴

梨木さんの本の中では『家守綺譚』が一番好きで、これは その系列の話で、とても、うれしい。
人間と動植物、前世と現在、異界と現実が へだてなく、入り混じった世界が描かれていて、とても、居心地がいい。
読んでいて、この世界が とても居心地がいいけれど、ラスト近くなって、主人公が どんどん昔を思い出していって、どんどん、終盤に近くなって来るところなど、胸が痛くなるような感じ。
そして、最後は、あぁ、もう… これだから、やっぱり、好きなんだよーと思わせられるようなシーンに うれしくなる。
このままずっと、こういう世界の話を書き続けて欲しいなぁ。
性愛や暴力、どろどろした人間関係を描いた小説だけが、リアルな小説ではないと思うので。