貧乏サヴァラン

貧乏サヴァラン (ちくま文庫)

貧乏サヴァラン (ちくま文庫)

家事はまるきり駄目だった茉莉の、ただ一つの例外は料理だった。オムレット、ボルドオ風茸料理、白魚、独活、柱などの清汁…江戸っ子の舌とパリジェンヌの舌を持ち贅沢をこよなく愛した茉莉ならではの得意料理。「百円のイングランド製のチョコレートを一日一個買いに行くのを日課」に、食いしん坊茉莉は夢の食卓を思い描く。垂涎の食エッセイ。


こんな風に食べることを楽しむことが出来れば、上機嫌でいられそうだ。
ビスケットのことを書いているだけでも美しいことばとその後ろの美しい風景が読んでいる目に うれしい。