上方落語 桂米朝コレクション〈1〉四季折々

斯界の第一人者で、人間国宝でもある桂米朝演じる上方落語の世界。本人による解説を付し、江戸落語とはひと味もふた味も違う噺を堪能していただく。第一巻「四季折々」は、今はもう失われてしまった季節感、のどやかさの感じられる落語を集める。


写真展の時でお会いしたNさん、Tさんと話している時に落語の本の話も出ていて読みたくなった。
読んでいると、米朝師匠のあの語り口が聞こえてくるような気がする。
丁寧に昔の風俗や言葉について説明してくれているので、わかりやすいし。
おもしろいだけではなく、はっとする言葉もあったり。


(お金持ちの親子が着飾って花見に行くのを見てボヤく貧乏長屋の住人に向かって)
「あの人たちはやな、先(さき)の生(しょう)で良えことしはったんやさかい、今は良え夢を見てると思てたらええのや。とかくこの世は夢の世の中やな。良え夢を見てはるてなもんや」


「利助どん、わたしが今この人に小言を言うてたらあんたフフッと鼻の先でせせら笑(わろ)うたなァ。いかんなあ、そういう笑い方は。おかしいことがあるんやったら、アハハーと大きな口あけて笑いなはれ。鼻の先でせせら笑いという、それぐらいいかんものはない。口をあけて笑わいでもええことなら、笑いなはんな」


米朝さんの落語見たい聞きたい。