みずうみ

みずうみ

みずうみ

私にとって この小説は主人公ちひろの死んだ母親が夢に出て来て言う台詞につきる。


ひとつ間違ってしまうと、私みたいに、一生いらいらして暮らすことになっちゃうんだよ?いつも怒ったりどなったりしているっていうのは、結局人を頼りにしているっていうことなのよ。


ということばにどきり。


怒る以外にいろいろなあらわし方があったことはわかっているのに。いつのまにかこっちの道にきちゃって、こっちの道は、戻れない道だった。不安が不安を呼び、ごまかしのほうが反応が大きいから人気が出た。もう自分でも自分を止められなかった。


そして、


ほんとうに、見栄っ張りのママにはこわいものが多すぎて、身を守るためにはそうするしかなかったの。でも、あなたはそうならないでね。いつでもおへそをあったかくして、頭に血がのぼらないように心も体も力を抜いて、お花みたいに生きてね。それは権利なの。生きているうちに必ずできることなのよ。それでいいの。


なんだか、胸にせまる。